The Great American Clothing Hall of Fame

フリーホイーラーズにとってブランドもそのアイコンたるラベルも、いわば一種のデザインだ。しかし、アメリカの空気感を服を通して表現する上で、これだけは"実名"が不可欠であるという銘品もいくつかある。ここに紹介する4つのブランドは、他の手段では表現が困難な銘品の魅力を実名とともに再現するスペシャルライン。フリーホイーラーズだけが表現し得るリアリティを感じてほしい。

Leathertogs TRADE MARK

Leathertogs TRADE MARK ジャケット(前)

Leathertogs TRADE MARK ジャケット(後)

モーターサイクルジャケットの世界において"究極中の究極"と呼ばれる『レザートグス』。1920年代〜'40年代に存在したボストン郊外のブランドで、製品はすべてカスタムオーダーメイド。その贅沢な素材使いと高い機能性、独創的なデザインは、まさに究極の名にふさわしい。しかし、少量生産に加え戦後間もなくブランドが消滅したため、その詳細は今なお謎のベールに包まれている。

Peter's TAILOR MADE

Peter's TAILOR MADE ジャケット(前)

Peter's TAILOR MADE ジャケット(後)

戦前のレザージャケット界における東の究極がレザートグスなら、西の究極はサンフランシスコの『ピータース』だろう。独特の襟のデザインをもつ"アヴィエイター・スタイル"で有名な同ブランドだが、こちらも現存数の少なさゆえ、全容は謎に包まれたままである。しかし、そんな謎めいた部分もまた、極上のホースハイドとともにピータースの魅力を深める要因となっているのだ。

Ironalls

Ironalls カバーオール(前)

Ironalls カバーオール(後)

"Don't say Overalls - Say Ironalls(オーバーオールズと言うな。アイアンオールズと呼べ)"とはワークウェアブランド『アイアンオールズ』のボタンに刻まれた文言だ。戦前ということ以外、詳細な生産年代や会社の歴史、アイテムの種類すらも謎に包まれた幻のブランド。しかし前述の台詞を聞けば、その凝りに凝った仕様を見るまでもなく、彼らの並々ならぬ自信のほどがうかがえる。

STIFEL

STIFEL カバーオール(前)

STIFEL カバーオール(後)

ドイツ移民としてアメリカに渡ったJ.L.シュティフェルが1835年に創業した染色工場を前身とする織物メーカー『スタイフェル』。同メーカーを一躍有名にしたのが、20世紀初頭に発表された"ウォバッシュストライプ"のインディゴクロスだ。シリンダーを使ったインディゴ生地への連続プリントという特殊な製法によって生まれたその素材は、ワークウェアに無二の趣を与えてくれる。